道
ひたすら真っ直ぐに、あるいは曲がりながら、どこまでも続いていく道。
津々浦々山から街へ、そして海へ。
川を渡ったりトンネルをくぐったりして…。
鉄道が鉄道たる所以であるこの2条の道は、いつでもどっしり構えて列車を迎える。
いったいここに敷かれた道は、どれだけの人々を運んできたのだろう。
どれだけのものを運んできたのだろう。
楽しい思い出を持ち帰る人を運んだかもしれないし、
つらい想いを抱えた人を、なぐさめるように送ったかもしれない。
日々繰り返す通勤で乗る人も運んだだろう。
また、遠い場所にいる人への贈り物だって運んでいるだろう。
統計的な輸送人数や貨物量なんてものさしもあるけれど…。
離れたところにいる人々を、ずっと結び続けて、これからもそれを続けていく。
出会いや喜びや悲しみ。
“道”は、どれだけのそんな“人の想い”を紡いできたのだろう。
そんなことに思いをいたすとき、胸が熱くなることがある。
あの場所の“道”は、どんな表情をしているだろう。
![]() |
細道を辿る 予讃線 伊予三芳−伊予桜井間にて 2010年8月 |
![]() |
黄金色 信越本線 米山−笠島間にて 2009年1月 |
![]() |
あえぐ山道 箱根登山鉄道 大平台−宮ノ下間にて 2009年7月 |
川を眺めて 飯田線 平岡−為栗間にて 2010年4月 |
![]() |