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冬 の 香 り

いろんな季節を求めて線路際を漂うことを続けているが、
冬という季節になぜか強く心惹かれる。
今まで撮った写真は冬の作品が一番多く、また一番力がこもっているように思う。

なぜ、冬に惹かれるのだろう。

白く美しい雪景色だろうか。
寒さ厳しいあの空気だろうか。
春の到来まで人も草木も沈黙してしまうあの寂しさか。
雪のヴェールを突き破って進む列車の姿か。
生まれ育ち暮らす土地が故の、本当の冬への欲求か。

冬というものには、絶対に詩的魅力があると思う。
他の季節にももちろんあるけれど、冬にはあと一歩かなわない…ような気がする。

何度となく冬を撮影していくうちに、もうすっかり冬の虜になってしまっていた。
冬になると足が北へ向く。
寒く冷たい中に、時にはぬくもりに触れるようなことすらある。
心が温まる季節なのかもしれない。



夕闇の山あい         奥羽本線 大滝−及位間にて  2010年2月




        雪の音



        奥羽本線 大釈迦にて  2008年1月

 




冬の足音         羽越本線 羽後本荘−羽後岩谷間にて  2008年12月




    閉ざされた道



    羽越本線 幕内(信)−藤島間にて  2004年12月



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