春 〜 今年も寒さを乗り越えて


厳しい冬も過ぎ、だんだん暖かくなっていくこれからの季節。
雨も多いが、柔らかな陽の差す日も増えてくる。
すっかり雪の消えた庄内平野、2両連結の電車が鉄橋を軽快にゆく。
無事冬を越せた安堵感か。夕方の日差しを受ける顔は心なしか、穏やかだ。

本楯−南鳥海間にて  2002-3
CanonEOS-3 EF50mmF1.4 USM  1/500sec f3.5  RDPIII


もちろん、春になればすぐに暖かくなり、という訳にはいかない。
冬の残りの低気圧は、往々にして春にやってくることもある。
太陽が少し顔を覗かせると、波が激しく光を反射し、より表情を露にする。
冬の名残。脇を行く特急も、さも何も語らぬかのごとく黙々と。

吹浦−女鹿間にて  2002-3
CanonEOS-3 EF70-200mmF2.8L USM  1/1000sec f7.1  RDPIII



荒れる空模様の日々も過ぎ去り、
ぽかぽか陽気の線路脇。

閉ざされていたものを発散するように、
色とりどりの生命が春を競う。

春の風に誘われて。
黄色い菜の花が可憐にゆれていた。

コトンコトン…
音もやさしく、駅に入る列車。
菜の花との、一年でわずか数日の出会いの時。



小岩川にて  2005-4
CanonEOS-3 EF70-200mmF2.8L USM
1/1000sec f3.5  RDPIII



寒い冬を日本で越冬した渡り鳥。
もうこのあたりも春めいてきて、そろそろ、大陸に帰る頃だ。
もう仲間たちは帰郷を始め、彼らも用意はいかばかりか。
キハ110も、再会を期待しての、最後のお見送り。

砂越−東酒田間にて  2005-3
CanonEOS-1NHS EF70-200mmF2.8L USM  1/1600sec F2.8  RDPIII


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