春 〜 今年も寒さを乗り越えて
春の羽越は水仙ライン。
沿線の至る所で、色とりどりの水仙が、その姿を競う。
朝、清冽な光を透かして、きらきら微風に揺れる。
ホームの後ろで、人々からちょっと引いて列車を迎えた。
そんな彼らに、列車は静かにそっとあいさつをして、出掛けてゆく。
列車が行けば、心地よい穏やかな朝に、また佇む。
小岩川にて 2005-4
CanonEOS-3 EF24mmF2.8 shutter=auto f5.0(Exp.Comp.+2/3) RDPIII
まだ厳しい表情の日本海を横目に、貨物列車は路を行く。
灰色の海、そしてまだ冷たい雨に打たれ、列車もどこか重苦しそうだ。
冬の終わりから、春の始まりまでのひと時。
少し寒さの緩んだ日の雨に、冬の雪は洗われて、荒涼とした枯れ草色の風景だ。
再び緑いっぱいの春になるまで、まだ暫く。
吹浦−女鹿間にて 1999-3
CanonEOS-3 EF35-135mmF4-5.6 USM 1/640sec f6.3 RDPII(+1)
春爛漫の小さな駅に、列車がゆっくりと入ってきた。
見た目鮮やかなピンクと、明るく爽やかなピンクの共演。
ちょっと遅い羽越の春。
桜も満開を迎え、一本の大木に薄桃色に、舞うように咲く。
藤島にて 2006-4
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM shutter=auto f4.0(Exp.Comp+2) C-PL RVP(+1)
春も佳境を迎えて、田起こしが終わった庄内は、一面の幾何学模様。
日没前、そんな幾何学模様や列車が照らされて、穏やかな一日の終わりの雰囲気を演出する。
最終の上り特急が、今日もこの場所を後にする。
昼間の白い姿がちょっと赤味を帯びて、ゆったり柔らかく模様に溶け込む夕暮れ。
西袋−余目間にて 2006-4
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM 1/500sec f2.8 RXP