秋 〜 実りの季節の穏やかな日々


春の田植えから、ずっと照らして稲を育ててきた太陽。
この秋は豊作になり、見事な黄金色になった。
育ての太陽は刈り取り目前まで、最後まで天から見守る。
そんなきらきらの稲穂を眺めていたら、向こうを軽やかに、列車が走り去っていった。
一日動き回って疲れた日の最後に見せてくれた、やさしい情景。
稲刈りが終われば田圃も単調な姿になるが、それでもまた、羽越に来よう。
そう思わせる、まだ残暑厳しい初秋の夕暮れだった。

金浦−仁賀保間にて  2005-9
CanonEOS-1vHS EF24mmF2.8  1/640sec f3.2  RDPIII



頬を過ぎる風涼しい初秋の頃。
先駆けて色づき始めた木の葉の横を、
白い線がすっと通り抜ける。
本格的に色づく頃はもう寒くなるこの土地。
秋まだ中頃、線路際でも緑の勢力強いが、
今くらいが、列車にとって安息の時か。





三瀬−羽前水沢間にて  2006-10
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM
1/640sec f3.2  RVP(+1)



すっきり気持ちよく晴れた秋の日。
天から日差しやさしく、稲わらはその光浴び、茶色の草の匂い届き、山々遠くに座る。
列車はまるで、空を泳ぐように、たゆたう雲のように。
そんなふうになんでも受け入れてしまうほど、今日の空はおおらかだ。

幕内(信)にて  2007-10
CanonEOS-1vHS EF17-40mmF4L USM  1/500sec f6.3  fortia SP(+1)


晩秋の冷たい雨が、小さな駅を濡らしていた。
散りゆく少ない落ち葉は、無言のまま水溜りに沈む。
山並みを、寂しい駅を、今にもしとしと落ちるような雨雲が覆う、物憂げな時間。
轟音を発しているはずの貨物列車も、全く無言のまま、何を顧みるでもなく。

南鳥海にて  2006-11
CanonEOS-1vHS EF28-70mmF2.8L USM  1/13sec f=auto  RVP(+1)


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