夏〜日本海鳥海・日照残照
盛夏訪れし羽越路。
上を見上げれば、一面ずっと青い、空のキャンバス。
向日葵も列車も、そんな気宇広大なキャンパスに踊る。
羽越路の夏の絵日記。
北余目−砂越間にて 2005-8
CanonEOS-1vHS EF24mmF2.8 1/1250sec f4.0 fortia
SP(+1)
自然色とりどりの真夏を前にやってくるのは、どんより雲の梅雨の空。
夏にかがやく自然に、雨になって栄養を天からささげる。
そう、夏に生命がかがやくのは、梅雨のお陰。
でも、早く梅雨が明けないかなぁ。
どんより雲を見上げ、人はそう思い、列車は梅雨空を行く。
北余目にて 2006-6
CanonEOS-1vHS EF28-70mmF2.8L USM shutter=auto f2.8(Exp.Comp.+1) RDPIII
梅雨の時期にだけ、線路際には天然の柵が小さな姿を見せる。
しとしとぽたぽたと落ちる雨に顔を向けて。
この時期をささやかに、しかし懸命に生きるために、恵みの水滴を受ける。
一方ではそんな雨を散らして、赤いランプが去ってゆく。
そう、その電車の帯も、紫陽花色。
上浜−象潟間にて 2006-6
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM 1/640sec f2.8 C-PL RVP(+1)
夕暮れの光がやさしく田園を包み込む中を、今日も列車は辿る。
暑くなった一日に幕を引くように去れば、虫の音聞こえる涼しい夜。
靄で果ての見えない田圃、列車は短い夏を追うようにも、見えたりする。
夏過ぎてまたやってくる、秋への予感。
ささやかに奏でる虫の音は、一日を、そして夏を去り行く列車への、見送りの歌。
羽前水沢−羽前大山間にて 2005-8
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM 1/200sec f3.2 RDPIII