冬 ~ 厳しい自然に、決して抗わず


本格的な冬支度の頃。
既に鳥海は雪を湛え、間もなく羽越路にも雪が訪れる。
出羽の母なる山に見守られ、羽越は再び、厳しい冬を迎える。

本楯-南鳥海間にて  2000-1
CanonEOS-3 EF100mmF2 USM  1/640sec f2.0  RMS(P-1 ISO200)


冬の陽は短く、傾けばあっという間に暗闇を誘う。
海は表情を隠し、波濤の気性を音でしか現さない。
荒ぶる海を横目に。
激しい風にも耐えて、今日も帰宅の人々を乗せて路を急ぐ。

二古(信)-岩城みなと間にて  2005-1
CanonEOS-3 EF50mmF1.4 USM  1/20sec f2.8  RHPIII(+1)


夜行から乗り継いだ各駅停車。
うとうとしていたら、列車が音を立てて、小さな駅に停まった。
もう、雪の降りしきる銀世界だ。
「雪か…ここは、どこだろう」
寝起きのまどろみの中で列車の窓をこすった、冬の旅路。

羽前大山にて  2001-1
CanonEOS-3 EF50mmF1.4 USM  1/400sec f3.2  RHPIII


日の入り目前の夕方の黄昏時。
景色全体が、冷たいシアンに染まっていく。
どこか切ない景色。
その中に、列車が浮かんでくれた。




上浜-象潟間にて  2001-1
CanonEOS-3 EF70-200mmF2.8L USM
1/320sec f2.8  RHPIII



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