冬 〜 厳しい自然に、決して抗わず
列車の始発の駅にて。
改札を抜けたら、再び雪が降り出していた。
しんしん、しんしんと静かに白い花が舞う。
人の目には情緒的に映る降雪。
それでも寒くて冷えるから、早いとこ乗ろうか。
鶴岡にて 2008-1
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM shutter=auto f2.8 RDPIII
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闇に暗く冷たく包まれる夕刻に、 青白い光が鋭く飛び込んでくる。 顔の真ん中に付けられたアイデンティティ。 実った稲がゆったりと揺れるが、 今この時の環境は、 そんな生易しいものではない。 鋭く光を飛び込ませねば 冬の羽越は走れない。 間島にて 2004-12 CanonEOS-3 EF70-200mmF2.8L USM+EXTENDER1.4× 1/250sec f=auto RDPIII |
穏やかな冬の日暮れの時。
短い鈍行は無言で今日の終わりを行く。
無表情な冬の、無言な海と、無言な砂浜と。
人の姿は、ない。波とて、音に主張はない。
或る静かな冬の日。無言で暮れてゆくのだ。
桑川−今川間にて 2007-1
CanonEOS-1vHS EF24mmF2.8 1/125sec f3.2 RDPIII
目に見える範囲全てを、雪が覆い尽くそうとしている。
このまま全てが白くなって、そしてどうなっていくのだろう…。
冬の日、小さな無人駅にも、列車を待ちわびる人が時には現れる。
実のところ、いないことのほうが多いが…だからといって、走り去ってしまうわけにはいかない。
人はいなくても、大雪をくぐって、今日も列車はやってくる。
大雪をくぐる黄色い灯りには、そんな使命感が宿っているのかも知れない。
その使命感で、羽越の冬は成り立っている。
折渡にて 2008-1
CanonEOS-1vHS EF70-200mmF2.8L USM shutter=auto f3.2(Exp.Comp.+1 2/3) RDPV