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 春に惑う

空気に香りが感じられ、ぽかぽかした風もあたり柔らかくそよぐ、
人々にとっては待ちに待った春。
わかりやすいのは桜。
開花やお花見なんかが話題になるが…。
この桜の便りが届くといつも心が惑う。

各地の開花の予測やなにかを調べてみて、
その地域に出向いてみて、撮影をする。
それ自体は毎年の恒例になっているのだが、
いつもいつも、どうにも鉄道との撮り合わせで終わってしまうのだ。
春の嬉しい香り。
それを表現したいという思いは常々持っているが…。
結局は花頼み。
花だけでしか、この嬉しい春は表現できないのか?

情けないことにずいぶん長い間、
そうした「嬉しい春」の表現ができていない。
雪解けだったり、香る風だったり、熱を持ってさんさんと注ぐ日差しだったり。
あらゆるものが冬眠から目覚め、あまたのものが活動を始める。
そうした有形無形のものがいっぱい感じられる季節。

そういうことがもっと表現できれば、いいんだけれど…。


御殿場線 山北−谷峨間にて  2014年4月



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